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サウンドレコーダー [洒落にならない怖い話32]

当時中2だった私はその時ちょうど夏休み中でした。
運動部に所属していたのですがその日は8月16日、送りお盆で部活は休み。
うちの家系は日蓮宗(創価とか怪しいのとは無関係です)で
送りお盆の時は海とか川に仏壇に供えたものを流すのですが
その日も例年通り両親は流しにでかけていて、家には私と姉と2人だけでした。
(いつもならついていくのだけどその年は何故か留守番してた)

最初は一緒にリビングでだらだらしていたのですが
昼間なので面白いTVもなく姉はリビングから離れ、
ピアノのある両親の部屋へ行きピアノを弾き始めました。
私もリビングから離れ隣の仏壇のある和室へ移動しそこでPCを始めました。
(当時、仏壇の隣にPCデスクがあった)

恥ずかしい話、当時の私は「サウンドレコーダー」で
自分の歌声を録音するのにハマっていて、その日も自分でアカペラで
某歌手の歌を歌ったのを録音していました。
そして、一通り歌い終わり録音を止め再生。
聞きなれた自分のへたくそな歌が流れ、それを聞きながらニヤニヤ。
そして歌が終わり、姉が別室で弾いているピアノが数秒流れて
再生を止めたマウスの音が「カチッ」と聞こえたので
「もう1度上から重ねて何か録音しよう」と再生停止ボタンを押そうとした瞬間
「ザーー」とTVの砂嵐のような音が流れていることに気付きました。



846:2:2006/01/20(金) 18:47:17 ID:KUBa227H0
「録音停止ボタン押したら何も聞こえないのかと思ってたけど
聞こえるんだなぁ」と思ってその雑音を聞いていると
映画「リング」の貞子のうめき声のような「ぅぅ・・・ぅぅぅぅ・・・」というのが聞こえてきました。
私は凍り付いて何が起こったのか分からずそれを暫く聞いていました。
うめき声だったものが「だ・・・・て・・・・し・・て・・・ここ・・・して」のような
何かを訴えるものに変わり、その声に混ざって物凄く低音の太い
男のような声、ブレスの音、明かに録音を停止したあとの部分に
私のものではない「何か」の声が録音されていました。

私はあまりの恐怖に再生停止を押すのも忘れすぐに姉のもとへ行き事情を説明。
姉は「嘘だぁw」と言いながらPCの部屋へ。
私はリビングで耳を塞ぎ狂ったように泣いて(恐怖で泣いたのかな?)、
姉はPCに近づいたか近づかないかで「ギャー」と声をあげ私のもとへ飛んできました。
「ききききききこえたっ!ここから出してっていってる!」と。

私は恐怖で動けなかったのでただただ泣くばかりでしたが
姉が仏壇から仏様の仏像を持って来て(日蓮さんのかな、謎)私に抱かせ
姉はPCのある部屋で数珠を振り回し、泣きながら
「出てけ!ここからでてけ!ここにいたってうちらは何もできないんだからな!」と
叫びながら一生懸命払って(?)くれました。

そして姉はその不気味な声が録音されたものを保存せずに削除。
すぐに両親に電話して帰ってきてくれるように頼んでくれました。
やっぱり姉は頼りになります。



847:3:2006/01/20(金) 18:48:01 ID:KUBa227H0
でもどうして変な声が録音されたのでしょうか。
よく歌手のCDに変な声が入ってたとかあるけどあの類なのでしょうか。
祖父母は「送りお盆の日に、無縁仏みたいのが集まってきたんだろ」と
言っていましたがあれは今考えても不気味だし謎です。
ただ当時住んでた社宅はいろんな現象があったのでそのせいなのかな、
と今は思ったりします。

長文&乱文で失礼しました。
当事者の私と姉は洒落にならない位怖かったのですが怖さをうまく表現できませんでした。




848:本当にあった怖い名無し:2006/01/20(金) 19:02:02 ID:LtpUruC00
姉萌



849:本当にあった怖い名無し:2006/01/20(金) 19:08:06 ID:NhKp8bDM0
ああ、姉萌だな

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時計 [洒落にならない怖い話32]

俺は安アパートの2階に住んでいる。
夜中、なにやら騒がしくて目を覚ました。
消防車のサイレンや鐘の音が鳴り響いている。
レム睡眠の途中で目を覚ましたらしく頭がクラクラする。
サイレンの音は一つではない。

火事らしい。それもすぐ近所だ。
ベッドから這い出して窓を開けると、となりの家屋の少し向こうの夜空が
オレンジ色に輝いて染まり、吹きあがる黒煙のなかを炎が舞っている。。
焦げた匂いが風にのってただよってくる。
避難した方がいいのだろうか。
隣の部屋の若い会社員も窓から顔をだしたので、俺は声をかけた。
「ずいぶん近いですね」
「うん。●●ハイツじゃないかな」
俺は通学途中の路地にある白いモルタルアパートを思い出した。
「避難した方がいいですかね」
「着替えて貴重品まとめておいた方がいいかもね」
そう言うと会社員は顔をひっこめた。
俺もスウェットを着替えて、荷物をまとめはじめた。

貴重品といっても財布と貯金通帳くらいで、あとは通っている専門学校の
学生証やテキスト、着替えなどをバッグにつめ込んだ。
そういているうちにサイレンの音は止み、救急車のサイレンが複数台分聞こえ、
やがて外は静かになった。どうやら鎮火したらしい。
携帯を探し出して時間を見ると、4時前だった。
あと3時間は眠れるな、と思い、俺はふたたびスウェットに着替えて
ベッドにもぐりこんだ。



736:時計 (2/4):2006/01/19(木) 21:57:04 ID:+lionpOL0
翌朝、学校へ行く途中、現場の前をとおると、建物は無残な残骸状態だった。
屋根も2階の床も焼け落ちて、柱や壁が黒こげで立っていた。
立ち入り規制の黄色いテープが周囲に張りめぐらされている。
つい数時間前まで、あの空間の中で人が寝ていたのかと思うと、
火災の恐ろしさを実感させられた。

学校のあと、いつものバイトに寄り、その後に飲み会があって、
気がついたら帰宅は終電の一本手前くらいだった。
駅から人気のなくなった暗い路地を自分のアパートに向かって歩き、
例の焼け跡の前をとおる。街灯のうす灯りに、焼け落ちた建物がぼんやりと見える。
1階の部屋の玄関跡らしい焦げたコンクリートの段のうえに、
白っぽくまるい掛け時計が置いてあった。
暗くてはっきり見えないが、汚れていないようだ。

俺は部屋に時計を持っていない。周囲を見回すと、幸いなことに誰もいない。
(これって、火事場泥棒だよな)
酔った気安さも手伝って、俺は内心自嘲しながら立ち入り禁止の黄色いテープをくぐった。
掛け時計を手にすると、案の定、放水をあびたのだろう、時計は3時42分で止まっていた。
俺は舌打ちをして、時計を戻そうとした。
そのとき、ふいに秒針がうごきだした。
(お、ラッキーじゃん)
俺は時計を小脇にかかえ、もう一度周囲を見まわして、そっとその場を離れた。
後日、隣の部屋の会社員から聞いたのだが、出元は1階の隅の部屋で、その部屋を含めた
二つの部屋から、それぞれ一体づつ焼死体が見つかったそうだ。
出火原因は不明だが、火元の部屋の女が焼身自殺を図った可能性もあるらしい、との事だった。



737:時計 (3/4):2006/01/19(木) 21:57:40 ID:+lionpOL0
それから半年ほどたった夜中だった。
夢を見ていたのかどうかも覚えていない。
深い闇の底で俺はもがき、あまりの息苦しさに目を覚ました。
呼吸が荒れ、寝汗をかき、心臓がドクドク鳴っていた。
何の夢も見ていない。闇の底でもがいていただけだ。
部屋の闇のなかで、壁掛け時計の秒針の音だけが聞こえてくる。
一秒、一秒、時を刻む音が、カチ、カチ、カチ、カチ・・・と。
俺の心臓の鼓動が、秒針の音にシンクロしている。
ドク、ドク、ドク、ドク・・・、と。
時計が、一秒、一秒、時を刻むごとに、俺の心臓の鼓動が大きくなっていく。
ドク、ドク、ドク、ドク・・・、と。
俺は心臓病で胸をかきむしりながら死んだ祖父を思い出した。

俺の心臓の鼓動がどんどん大きくなっていき、このまま破裂するような気がした。
「遺伝」とか「若年性心疾患」などという言葉が脳裏をよぎり、
俺はゆっくり心臓の上に右手をあててみた。
そこに、冷たい、誰かの手があった。
俺の右手のひらが触れたのは、冷たく骨の細い、小づくりな手の甲だった。
そして、その冷たい手の甲が裏返り、華奢な指で、俺の右手を握り返した。
俺は、わあっ、と叫んで手をふりほどき、ベッドからころげ落ちると、
慌てて部屋の電気をつけた。
部屋に蛍光灯の光があふれ、俺はベッドの掛け布団をはぎとった。
なにもなかった。
時計を見ると、4時少し前だった。
眠れなくなった。


俺はあの火災で焼死者が2名出たことを思い出した。
うち一人の女は、焼身自殺を取りざたされたのだ。
拾ってきた壁掛け時計は、その焼身自殺女のものだったかも知れない。
俺は恐ろしくなった。そして空が白むのを待って時計を取り外し、
まだ薄明のうちに近所の寺の本堂にそれを置いてきた。



738:時計 (4/4):2006/01/19(木) 21:59:11 ID:+lionpOL0
それからまた2ヶ月ほどたった。
夜中、なにやら騒がしくて目を覚ましかけた。
消防車のサイレンや鐘の音が鳴り響いているようだ。
レム睡眠の途中で目を覚ましかけたらしく頭の中が動かない。
サイレンの音は一つではない。
火事らしい。それもすぐ近所だ・・・。



739:時計 (4-2/4):2006/01/19(木) 22:00:11 ID:+lionpOL0
いや、それは夢だった。俺は暗闇のなかで目をひらいた。
サイレンの音も鐘の音も聞こえない、沈黙の真夜中だ。
聞こえるのはただ、時を刻む時計の音だけ。
カチ、カチ、カチ、カチ・・・、と。
だが、俺は半年前に掛け時計を捨てたはずだ。その後、時計は買っていない。
なぜ部屋の中に秒針の音がするのか。
カチ、カチ、カチ、カチ・・・、と。
俺は漆黒の闇のなか、音の聞こえる方向に顔を向けた。
捨てたはずの掛け時計が、闇のなかに青白く浮かび上がっていた。
だが、その文字盤の数字は逆に並んでいる。12、11、10、9・・・、と。
その逆配列の文字盤のうえを、秒針が時を刻みながら進んでいく。

カチ、カチ、カチ、カチ・・・、と。
11、10、9・・・、5、4、3、2・・・、と。
そして時計の秒針が"0"になった瞬間、ベッドのしたから
乱れた長髪の血まみれに焼け爛れた顔の女が這い上がってきて俺の首を絞めた。
叫ぼうとしたが全身が金縛りとなり、喉がひきつって声が出なかった。
部屋の片隅が赤い光に染まり、小さな焔がゆれて見える。
もがこうとするが金縛りで体が動かない。首を絞められ続け意識が遠のきそうになる。

部屋を赤く染める焔はおおきくなり、焼けた匂いがただよってくる。
ふと、金縛りが解け、体が動いた。叫びながら部屋から飛び出す。
アパートの階段を転げ落ちそうになりながら駆け下り、裸足のまま夜中の路地を走った。
ふりむくと、俺の住んでいたアパートの方の夜空はオレンジ色に染まり、
黒煙と焔が激しく吹きあがっていた。

俺の住んでいたアパートは全焼し、隣室の会社員を含め、6人の焼死者を出した。
出火元の住居者である俺は、偽装失火・・・焼身自殺未遂によって巻き添えの
焼死者を出した容疑で、現在、取り調べを受けている。

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ピアノの怪談 [洒落にならない怖い話32]

私が高校生だった頃の思い出話です。
私の通っていた高校は、全寮制の、歴史ある学校でした。
県下で一の伝統を誇り、建物は古く、先生方の頭も古く、指導の厳しいところでした。
生徒の自主性といった今流行りの考えとは縁遠く、何事にも増して伝統とそれに支えられた
校風の維持を重視する環境だったのです。
そんな中で生徒たちは、先生方の言動に怯えながら、抑圧された日々を過ごしていました。
おしゃれも禁止、外出も行き先を言って許可を求めなければいけません。
私たちが校内で楽しめる娯楽と言えば、ただ会話をするくらいでした。
私たちはただひたすら本を読み、先生方のチェックがやや緩かった雑誌などから情報を得て、
いかに互いにとって面白い話をするかに腐心していました。

そんな私たちの会話の中によく出る話題の一つに、「怪談」がありました。
抑えつけられ閉じられた学校生活の中で、怪談から得られる恐怖は何にも変えがたい刺激でした。
放課後の夕闇に包まれる教室で、あるいは夕食後他に人のいない談話室で、
私と友人たちは、互いに持ち寄った怖い話をしたものでした。

私たちの学校はさすがに古いだけはあって、七不思議系の怪談が七つじゃきかないほどに
ありました。
他の学校にもあるような話が多くて、この手の怖い話は本当に何も話すことが無くなった時に、
場を繋ぐ話題として出されるくらいでした。



691:ピアノの怪談:2006/01/19(木) 02:29:01 ID:D7U6sTau0
その日の放課後も学校の授業の話から始まって、本の話、雑誌で得たおしゃれ知識の話、
そして怖い話としていき、いい加減日の暮れる頃には話すことが無くなっていました。
もう帰ろうかという雰囲気になった時、友人の一人だった美紀が、
「そういえば……呪いのピアノの話、知ってる?」
と皆に問いかけてきました。
これには皆がうなずきました。呪いのピアノは私たちの学校の七不思議の一つで、
あまりにも有名な怪談だったからです。
放課後、誰もいないはずの音楽室からピアノの音が聞こえると言う、いかにもありがちな怪談でした。
「何言ってるの、今更そんな話……」
皆あきれた顔をして答えると、美紀は首を横に振ります。
「違うの。今までのとは違うのよ。この前聞いたんだけどね、今度は音だけじゃなくて、幽霊を見たって言うのよ」
「幽霊?」
美紀の話はこうでした。
先日放課後、音楽室の前を一人の生徒が通りすぎた時、ピアノの音が聞こえた。
ちょっと好奇心を出して覗いてみると、ピアノの前に私たちの学校の制服を着た子が立っていた……。
「制服が血に濡れたみたいに赤黒くなってて、すごく怖かったって」
私たちは笑いました。
「それって、本当にうちの生徒がピアノ弾いてたんじゃないの?」
「ピアノの音がして、ピアノの前に人が立っていたなら普通じゃない」
「ちょっと美紀、信じすぎだよ」
私たちが口々に言うと、美紀は不満顔になりました。
「違うって! まだ続きがあるんだから!」
「続き?」
「うん、続き。その見た人はね、怖くなって走って逃げたんだけど……」
逃げて、落ち着いて考えてみたら、単に誰か生徒が練習をしていただけかもしれないとその生徒も考えたという。
しかし何か違和感があった。
数日後、それは明らかになった。



692:ピアノの怪談:2006/01/19(木) 02:29:38 ID:D7U6sTau0
「その制服はね、旧制服だったんだって。私たちのとは肩のあたりの形が違ったらしいよ」
私たちの学校は制服のデザインを十数年前にかえていました。
職員室前の校史年表や、ホームルームでのスライド授業でしか見たことはありませんでしたが、現行の私たちの制服に
良く似たものでした。
「もし生徒が練習してたなら、旧制服なんておかしいでしょ?」
「それこそ見間違えだと思うけど……」
「まあ、そうかも知れないんだけどさあ……」
しばらく私たちはそんな話は嘘だ本当だ、怖い怖くないと言い合っていたのですが、
ぼそりと佐智子(友人の一人です)がつぶやきました。
「みんな結局気になってるんだし、なんなら今から行ってみる?」
そして日も沈む頃、私たちのうち何人かは、音楽室に行くことにしたのです。



693:ピアノの怪談:2006/01/19(木) 02:31:26 ID:D7U6sTau0
音楽室に行ったのは、美紀と佐智子、絵里(こちらも友人の一人です)、そして私の四人でした。
いつもより遅くまで残っていたので、校舎に人影が全く無く、廊下に私たちの足音が響くのが印象的でした。
音楽室の前で皆一旦足を止め、耳を澄ましましたが、ピアノの音は聞こえませんでした。
「開けるよ……」
美紀が扉を静かに開けました。
音楽室には誰もいませんでした。
真っ赤な西日の差し込む教室に、普段私たちが座る椅子と、大きな黒いピアノが一つ、置かれているだけでした。
私たちはしばらく誰も何も喋らず、ぼおっと音楽室の中をみて回っていました。
「結局、何もないじゃない」
「うん……」
絵里のつぶやきに、美紀がうなずきます。
絵里はピアノの前に立ち、鍵盤の蓋をあけ、軽くピアノを弾き始めました。
佐智子と私は椅子に座ってそれを聞き、美紀は窓辺に立って外を見ていました。
と、美紀の方を見たとき、私はどきりとしました。
窓辺に立った美紀は、窓にうっすらと姿が映っていたのですが、その窓に映った姿がまるで血を浴びたようだったのです。
制服は赤黒く濡れ、頭から血を流しているようでした。
西日のせいだとか、そんな風には言えないくらいに、濡れたように生々しい赤でした。
そして、美紀の髪はショートカットだったのに、窓に映った姿は髪の長さがもっとずっとあるように見えました。
さらには、制服の肩のあたりが少し膨らんだ形になっていて……それは私たちの着ているものとは違う、一つ前の制服でした。
「さ、佐智子……!」
隣に座っていた佐智子に、慌てて言おうとしました。しかし、不意に美紀が私の方を振りかえり、言葉が詰まってしまいました。



694:ピアノの怪談:2006/01/19(木) 02:32:21 ID:D7U6sTau0
そんな私の目の前で、美紀はゆっくりとした足取りで、ピアノの方へ向かって行きました。
そして、相変わらず絵里が流れるようにピアノを弾くその傍らに美紀は立ち、次の瞬間鍵盤の蓋をものすごい勢いで下ろしたのです。
絵里の悲鳴が響き、ピアノがバァン!と大きくなる音、そして蓋と鍵盤とに挟まれた指が折れるボキボキという音が、確かに
聞こえました。
「美紀!?」
「ちょっと! 何やってるの!!」
私と佐智子は慌ててピアノの方に駆け出しました。
美紀を取り押さえようとしましたが、美紀は信じがたい力で、私たち二人の力をものともしませんでした。
二回、三回と蓋がおろされ、その度に絵里の悲鳴とピアノの音と骨の砕ける音が響きました。
「絵里、鍵盤から手を離して!」
「離れない! 離れないのよ! どうなってるの!? もう、や、美紀! やめてえぇっ!」
四回目に蓋が下ろされた時、ぐちゃりと音がして、折れた骨が皮を突き破って出るのがわかりました。
白い鍵盤の上に、見る間に絵里の赤い血が広がっていきました。
絵里はその瞬間小さく悲鳴をあげ、がくりと気を失ったようでした。膝をつき、力なくうなだれているのに、
何故か手がピアノの鍵盤から離れることはありませんでした。
もう美紀の悲鳴は聞こえず、音楽室には絵里の手がつぶれる音と、その勢いで押されるピアノの重々しい音がしばらくの間響き、
ピアノの下に小さく血溜まりが出来る頃、美紀もまた糸が切れたように気を失い、倒れました。



695:ピアノの怪談:2006/01/19(木) 02:32:54 ID:D7U6sTau0
私たちは先生方にきつく怒られました。
ただ、美紀は本当に自分に何があったのかわかっていなくて、絵里は一時入院したけれど美紀を責めることは無かったので、
結局「事故」と言うことになり、誰も処分されないですみました。
「良くわからないんだけど……
ただ、あのピアノは私のものだって、そんな気がして、それでそこから先は何も覚えてなくて……」
そう美紀は言いました。
絵里は完治しても手に痺れが出たりという障害が残りました。
こんなことがあったので、私の友人たちは皆幽霊を信じるようになりました。
そしてこんなことがあったのに、その後もみんな集まって怖い話をして、時に肝試しもしました。
そうせずには居られないほどに、退屈な日常だったのです。

ひとまずこれで、思い出話を終えたいと思います。

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