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同じ霊 [洒落にならない怖い話38]

607 名前:同じ霊(1/6)[sage] 投稿日:2009/07/11(土) 15:13:12 ID:yWSXmagA0
心霊サイトってあるじゃん。散々既出の心霊写真やら心霊映像やらをまとめて動画にして、
次々に貼り付けてあるブログ形式のサイト。
暇な時にしばしば見てるんだけど、一つ妙なことに気付いたんだ。

それは、心霊写真・心霊映像共に、「複数にわたって同一の霊?が写り込んでいる」ということ。
どういうことかと言うと、例えば屋根裏を撮った映像に浮かび上がった白い顔が、全く別の観光地の映像にも写っていたり、というふうに。(心霊動画をよく見る人には心当たりがあると思う)
それらは大方「ほん呪」シリーズが出展であるので、発見した当初は
「プッ、これで合成って丸分かりじゃんwバカスww(それでも見つけてすぐはゾッとしたw)」ぐらいに思ってたんだけど…


608 名前:同じ霊(2/6)[sage] 投稿日:2009/07/11(土) 15:13:56 ID:yWSXmagA0
ある日、暇だったもので心霊サイトを回っていると、何度も同じ霊に出会った。
切れ長で、それでいて落ち窪んだ腫れ目蓋の太った中年の女。笑ってる。
この写真にも、この写真にも。そのオバチャンは写りこんでいる。笑ってる。
一番寒気がしたのは、高校のラグビー部の集合写真。
そのオバチャンは、一番左手前の選手の右肩の上から小さな顔だけを出し、ニンマリと笑っている。
生き生きとしたピンク色の顔で、半分透き通っている。
この写真に対する解説で、さらに不可解な気分になった。
「この写真を見た選手達は優しい気持ちになった。映りこんでいるその女性は、撮影のあった日に行われた試合に同行できず、その一週間前に病死したマネージャーだったのである」


609 名前:同じ霊(3/6)[sage] 投稿日:2009/07/11(土) 15:16:34 ID:yWSXmagA0
寒気がした。誰がどう見ても中年の丸々と太った女だ。
ピチピチの女子高校生とはワケが違う。
思わず噴き出したのと、「なんで…!?」という違和感・恐怖が一緒になった。
そもそも、これだけ複数にわたって同じ容姿の女が写りこんでいるのに、なぜ誰もそのことに触れないのか?
心霊現象とはまた違った、戸惑いと不信感に満ちた恐怖がじわじわ来た。

なんだか怖くなったので、その日はUFO映像の巡回に切り替えた。


610 名前:同じ霊(4/6)[sage] 投稿日:2009/07/11(土) 15:17:39 ID:yWSXmagA0
夜、家族と食事を取った後、恐怖もやわらいだ俺は家族にその一連のオバチャンが写った写真達を見せようとした。
ところが、いくら探しても見つからない。こんなことってあるのだろうか?
躍起になって探せば探すほど、オバチャンが遠くに感じられた。

それから日が経って、つい先日のことなんだけど、漫画本が増えたのでリビングの本棚の整理をしてたんだ。
すると、棚の奥底から心霊写真集の単行本を見つけた。
作者を見ると、中岡俊哉だった。今から30年以上前の本だった。
ページを捲ると、白黒のはっきりしない写真ばかりで俺はすぐに退屈した。

しかしその後、俺は無様な悲鳴と共にその本を取り落とすことになったw


611 名前:同じ霊(5/6)[sage] 投稿日:2009/07/11(土) 15:18:41 ID:yWSXmagA0
それは、大昔の白黒写真だった。
昭和初期の時代を感じる服装とヘアスタイルの人々が、二列に集合して写っている。
そう、ちょうどあの高校ラグビーの写真のように。
タイトルには「はっきりと女性の姿が…」と書かれてあるものの、一向に分からない。
「えー、どこよ?」と退屈しながら探していると、不意にそいつと目が合った。
探してもすぐには分からない、そいつは写真全体にわたって大きく写りこんでいたのだった。
もう、その目を見た瞬間に悟った。例のオバチャンだ。
「ああ、また…!!」と呻いて俺は本を落としてしまった。


612 名前:同じ霊(6/6)[sage] 投稿日:2009/07/11(土) 15:20:04 ID:yWSXmagA0
あのオバチャンは霊なのか、それとも半世紀以上にわたって何処かの狂人が同じ女性の姿を写真に合成し続けているのか?
そのオバチャンは写真によって髪型や顔の角度が違う。
ただ、大きな腫れ目蓋と満面の笑みは常に浮かべている。
どちらにせよ、何者かの異常な意図が感じられてなんとも不気味である。

オカルトファンなら必ず一度は見たことがあると思う。
ほんと、あのオバチャン何者なんだろう…?
詳しい人が居れば教えてください。



613 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/07/11(土) 15:30:24 ID:f/igfKQv0
オバチャンが映り込んでる該当URLも貼らずに何モノ?と言われてもねぇw


614 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/07/11(土) 15:39:13 ID:7qh9mYWg0
たぶん本人に憑いてる霊なんだろ だから他人には認識されないし、見せようと思った時には消えてる
気にせずに写真も見ないようにすればそのうち忘れる


615 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/07/11(土) 15:56:08 ID:yWSXmagA0
今また探してる最中なんだ。見つかったら誘導する。


645 名前:同じ霊[sage] 投稿日:2009/07/11(土) 20:39:35 ID:yWSXmagA0
見つけた。2:48頃から
残りはこれから探す
ttp://www.youtube.com/watch?v=yd9K-bnABD0


646 名前:同じ霊[sage] 投稿日:2009/07/11(土) 21:09:11 ID:yWSXmagA0
7:35
残りはこれから探す
ttp://www.youtube.com/watch?v=hLgnC4Cg2-U

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タグ:同じ霊

注連縄で囲われた廃神社 [洒落にならない怖い話38]

696 名前:まったりと1/2[sage] 投稿日:2009/07/12(日) 21:34:13 ID:OPy0jt4p0
俺の嫁が学生の頃の話。

オカルト研究サークルに入っていた嫁の友達K子が、心霊スポットについての噂を仕入れてきた。
東北地方某県の山中に、周囲を注連縄で囲われている廃神社があり、
それを一人でまたぐと帰ってこられなくなるという。
検証するべくメンバーである男子学生P太が一人でその場所に向かったところ、
はたして彼とは連絡が取れなくなった。
心配したサークルのメンバー一同は、皆で様子を見に行くことにした。
そしてそこで嫁とK子が体験したのが次のようなもの。

嫁はそこそこ霊感があるもののお払いとかはさっぱりなので、
出発に際して霊感が強い先輩に同行してくれるよう頼んだ。
K子の情報通りの場所には確かに注連縄で囲まれた神社らしきものがあり、
P太がここに着たであろうことも間違いないように思われた。

先輩はその神社を見るや苦い顔をして、
「ここにはいるのは怖い。」と入るのを拒否した。
しかし仲間の様子が心配なメンバーとしては、ここで引き下がるわけにもいかない。
注連縄を超えて進もうとする彼らに、先輩が言い聞かせたことには、
「この注連縄の中には、強力な力が満ち溢れている。
 これに一度とらわれたら、自力で抜け出すのは難しいだろう。
 この力に付け入る隙を与えないために、
 彼を連れ帰りこの注連縄を超えるまで、決して会話を途切れさせてはいけない。
 大人数で入って会話には入れない者がいるのは危険だから、二人で入るのが一番だと思う。」

その場にいたメンバー中嫁とK子が最年長の女性であり、
「おしゃべり」なら男性より女性の方が得意だろうということで、
二人がペアになって中に入ることにした。
話す内容は何でもよく、二人は趣味やスイーツ(笑)やファッションなど、
ありとあらゆる事を話しながら進んで行ったが、
途切れさせてはいけない、という義務感や、
心霊スポットのただ中にいるという緊張感から、精神的にかなり苦しかったそうだ。


697 名前:まったりと2/2[sage] 投稿日:2009/07/12(日) 21:34:59 ID:OPy0jt4p0
鳥居をくぐり、拝殿のような所に辿り着いた嫁が戸を開くと、
ぼんやりした暗闇の中、探していたP太がこちらに背を向けて座り込んでいた。
嫁が目を凝らすと、彼をコの字に囲む古びた日本人形が多数見え、
そして嫁とK子の声に交じって、彼がぶつぶつと何か呟いているのが聞こえる。
二人に促されると、彼はぼんやりしながらも立ち上がり、のろのろと外へと歩き出した。
そろそろ話すネタも尽きてきた二人は焦り始め、
K子はP太の腕を掴んで走り出し、嫁も後に続いた。

息を切らしながらも会話をつづけ、ようやく注連縄と応援する仲間たちの姿が見えてきた。
一足先に縄を跨いだK子は、話し続けなければならないという緊張から解放されたためか、
ひとつ大きなため息をついた。
そして会話が途切れたその瞬間、嫁はまだ縄を潜っていなかった。
投げかけた言葉に返事がなかったその時、
耳のすぐそばで何人もの人間が大声で怒鳴るような大騒音が、嫁の耳に飛び込んできた。
驚いて耳をふさいだが声は全く小さくならず、
激しい頭痛と恐怖で頭がおかしくなりそうになって、思わずその場にしゃがみそうになったとき、
先輩が目いっぱい手を伸ばして嫁の腕を掴み、強引に縄の外に引っ張り出してくれた。

縄を超えた瞬間、その声は嘘のように消え去ったという。

嫁は呆然としてあたりを見回したが、自分たち以外の人間の姿は見えず、
そしてその場にいた誰も、嫁が耳にした声は聞いていないという。

P太はしばらく呆然としていたが、帰りの車の中で徐々に自分を取り戻し、
何があったのかを話してくれた。
といっても、あの縄を超えたとたんひどい耳鳴りと頭痛がして、
その後気がついたら仲間に囲まれて神社の外にいた、ということしか覚えていなかったが。
嫁は持前の霊感のせいか分からないが、P太には分からなかった声の内容が聞き取れたようで、
なんでも「帰さん」「新参だ」「ここにいろ」というような事を言っていたらしい。

彼はその後先輩の勧めで、お払い兼お勤めみたいな感じで、
夏休みいっぱいどっかの寺で過ごしたという。

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10の14乗分の1 [洒落にならない怖い話38]

723 名前:1/12[] 投稿日:2009/07/13(月) 00:28:02 ID:yzLus+8HO
人間って壁をすり抜けたりする事ができるの知ってました?
10の14乗分の1くらいの確率で。
なんか細胞を形成している素粒子に透過性があるかららしいんだけど。
たまたまこないだテレビで見て知ったんだけど、それを見てもう15年くらい前の出来事を思い出してしまって、あの時の現象はそういう事だったのかな…と思って書いてみる事にしました。

俺は珍走団って訳じゃないけど、バイクが大好きで、仲間とつるんで土曜の夜に走るのが好きだったんだけど、同時に心霊スポットも大好きだったんです。

ある土曜日に有名なトンネルに仲間と行ってみた。
そこは入り口付近に桜の木があって、こう書いてある。
「コノキ二ノボリシモノノロイアリ」
この木に登りし者呪い有り、という意味で、おそらく近所の人がたむろする若者を迷惑に思って刻んだのだろうと推測できるのだけど、ほとんどの奴は怖くて登らない。
そんな中一人だけ上半身裸で木に登って上着を振り回している奴がいた。
そいつが今回の話の主人公ヨッシーって奴なんだ。


724 名前:2/12[] 投稿日:2009/07/13(月) 00:29:48 ID:yzLus+8HO
ヨッシーは時代遅れの改造バイクに乗ってシンナーを吸引しているような痛い奴で、仲間内では浮いているほうだった。
みんなヨッシーを無視してトンネルの写真を撮ったりしていた。
携帯とか無くてインスタントカメラで撮っていたんだけど、撮影者がおかしな事を言い出した。
「あれ?フィルムが巻けない」
3枚くらい撮った後カメラが壊れたらしい。
「おいおい霊現象かよ?」みんなが騒ぎだした時
ドサッ!
暗闇で音がした。
「いててて…」
なんとヨッシーが桜の木から落ちてた。
みんなは爆笑して場が和んで、その場はうやむやになって帰宅したんだけど、一週間後、カメラの持ち主が厄介な問題を持ち込んできた。
3枚撮れたトンネルの写真を現像したらとんでもないモノが写ったと言う。
とりあえず家に呼んで見せてもらったら、焦った。
トンネルの地面に無数の頭蓋骨が写っていたから。
そのトンネルは朝鮮人労働者が何人も死んだという噂があって、出口から差し込む光が2つ写るといってGOROという雑誌に掲載されてから一躍有名になったトンネルなんだけど、頭蓋骨の山が写った話は聞いた事がない。



725 名前:3/12[] 投稿日:2009/07/13(月) 00:32:24 ID:yzLus+8HO
数千はあろうかという頭蓋骨を見て怯えているところに我が家の電話が鳴った。「事故った!迎えに来てくれないか?」
偶然にも一緒にトンネルに行った奴から。
迎えにいく準備をしていると又電話が鳴った。
「ごめん、迎えに来て!事故ってバイクが駄目になった」
またまたトンネルに行った奴から。
するともう一度
「バイクが動かない!」
なんと3人もトンネルに行った奴から電話が。
この時はまだ恐ろしいとは思っていないから、仕方なく全員迎えに行く事にしたんだけど、最初の電話があった奴の所に向かう途中に今度は俺が事故った。
前の日に交換したクラッチワイヤーが切れたんだ。
ちょっと不吉なモノを感じた。
で、改めて家に集合したら、事故った奴らは皆とても不自然な事故だったと言う。
頭蓋骨の写真を見せたら全員怯えてた。
一人が言った。
「おい、事故は偶然じゃないよ!ぜってぇ祟りだよ!○○のババアに見てもらおうぜ!」
○○のババアとは当時有名な霊能者と言われていた人で、お寺に住んでいて、なんと悩み事を言わないのに答えだけくれるという噂の人だった。
見料は5千円。
ま、不気味な写真を処分してもらうだけでもいいか、と代表者3人でババアの所に行ってみる事にした。
ババアの住む寺は田舎だったけど、人だかりがあってすぐに分かった。
二時間位待ってようやく寺の中に入れたんだけど、ババアの部屋は相談者で溢れている。
驚いた事にババアは人が沢山いるのに相談に答えていた。
でも、相談者は何も語っていない。
何も語っていないのに相談者の関係者の名前を言ったりしている。
どうやら離婚の縁切り相談なんかもやっているようだった。
周りの人は名前は聞こえるが、イマイチ内容は理解できず、プライバシーは守られている。
「このババア…本物か?」そう思った時、ババアがこちらを向いて舌打ちをした。
「この野郎ども!厄介なモノ持ってきやがって!肝試しなんてやるもんじゃないよ」
アシスタント等一人もいない。
アポも取っていない。
俺は何も喋っていない。
だのにババアは全て見抜いているような口振りだった。


726 名前:4/12[] 投稿日:2009/07/13(月) 00:34:34 ID:yzLus+8HO
「いいか、よく聞けよ。今から札書いてやる。それを持って肝試しに行った8人全員で川に行ってドクロと札を一緒に流せ!絶対後ろ向くなよ!分かったか?五千円置いてとっとと帰れ!」
ババアはチラシの裏に変な梵字みたいなのを書いてよこした。
俺達は狐につままれたようにキョトンとしたまま五千円を置いて一言も喋らないまま寺を出た。
「インチキだろ?」
「でも…ドクロとか8人とか…ズバリだったよね?」結果としてババアを信じる事にするしか無かった。
何がどうとんでもないのかもわからず、俺達は8人を集めて川に出かけるしか無かった。
ババアの所に行かなかった5人に経緯を説明した
「いいか?絶対振り向くなよ?ヤバイらしいぞ。あと、みんな走るなよ!慌てて転んだら大変だから!」
そんな説明をしていると一人だけ聞いてない奴がいる「ヨッシー!聞いてるのか?振り向いたら大変な事になるらしいぞ?大丈夫か?」
ヨッシーは返事をせず、ヘラヘラしていた。
「よし!じゃあ流すぞ?いいか?流したら直ぐに回れ右だぞ!振り向くなよ?走るなよ!」
俺はそう言ってドクロの写真と梵字を書いたチラシを川に流したんだ。
みんなは同時に回れ右をしてゆっくりとその場を後にした。
15歩位進んだところでヨッシーがバカをやりだした。
「俺は桜の木に登っても平気だったんだよ!呪いなんて怖くねぇ!へ!」
そう言って後ろを振り向いている。


727 名前:5/12[] 投稿日:2009/07/13(月) 00:36:09 ID:yzLus+8HO
「ヨッシーやめろ!ヤバイよ!やめろって!」
みんなが制止するのを無視してヨッシーが振り向いている。
「へ?あれ?あれなんだ?ぉぁ………………」
ヨッシーが黙り込んでしまった。
「ヨッシー!ヨッシー!どうしたヨッシー!」
みんなは歩みを止めない。ヨッシーは付いてこない。
「う、うわあー」
誰かが走りだした。
つられて全員走りだした。「うわあーああああー」
駐車場に着いたがヨッシーがいない。
「おい、ヨッシーは?ヨッシーどうしたんだよ」
陽が沈み始めて辺りは暗くなりだしている。
誰も怖くてヨッシーを探しにいけない。
「俺、明日早いから…お先に…」
一人、また一人と消えていって俺とカメラの持ち主だけになってしまった。
「どうする?探しに行くか?」
「正直…怖い…無理」
「あいつ…何を見たんだ?」
俺達は慎重に話し合い、あと30分待ってヨッシーが帰ってこない場合は帰る事にした。
約束を破ったヨッシーが悪いというのが大義名分で、ババアの「振り向くと大変な事になる」という言葉がどうしてもヨッシーを探す気分になれなかった。
30分してもヨッシーは帰ってこなかった。
俺達は仕方なく帰ったんだ。

728 名前:6/12[] 投稿日:2009/07/13(月) 00:37:58 ID:yzLus+8HO
翌日昼休み、職場からヨッシーの家に電話をした。
意外にもヨッシーは直ぐに出た。
「ヨッシー!昨日ごめん…大丈夫だったのか?」
「何が?」
「何が?って…昨日どうやって帰ったんだよ?」
「どうやって?バイクでだよ」
「いや、それはわかるけど」
まるで会話が噛み合わない。
仕方なく仕事が終わってからカメラの持ち主の奴と二人でヨッシーの家に行ってみた。
「ヨッシー、昨日あれからどうしたんだよ、心配したんだぞ?」
「俺さあぁぁ…へへっ…へへっ………」
「ヨッシー、お前なんかおかしいぞ?シンナー吸ってるのか?」
「へへへ」
「ヨッシー昨日何か見たんだな?何を見たんだ?ヨッシー?」「僕なーんも見てない…見てないよ、見てないもん」(この日からヨッシーは池沼みたくなってしまった)
シンナーのせいかもしれないけれども、自分の事を僕とか言い出したり涎を垂らしたりしたりして、俺達を困らせた。
話にならないので帰る事にして玄関を出るとバイクが目にとまった。
来た時はシートが掛けてあったけど、風でシートがめくれていたからだ。
「これ…なんだよ?」
ヨッシーのバイクは傷だらけでライトと全てのウィンカーが割れていた。
所々に枯れ枝が付いていてミラーがあらぬ方向に折れ曲がっている。


729 名前:7/12[] 投稿日:2009/07/13(月) 00:39:47 ID:yzLus+8HO
どこをどう走ったらこんな事になるんだろう?
ヨッシーだって無傷でいられるはずがない。
「ヨッシー!おいヨッシー!お前?」
「あー、あー、あー」
ヨッシーは痴呆のように叫ぶだけで答えなかった。
暫くしてヨッシーは仕事を辞めて精神科に通うようになったんだ。
日常生活は支障がないけれどバイクには乗れなくなった。
俺はやはりあの日の事が関係しているような気がしてババアの所に行って解決法を聞こうと思ったけれど、できなかった。
約束を破った負い目があったから。
いつの間にかヨッシーの事は仲間内でタブーになっていって疎遠になった。
そんなある日、不思議な噂を耳にした。
「四次元の木」の噂だ。
ある山奥にあるその木は厳重にフェンスで仕切ってあり入れないようになっている。
管理しているS市に問い合わせたら存在を否定される木。
この木はなんの変哲もない樹齢50年くらいの木らしいのだけど、なんと四次元の入り口になっているという。
空き缶や石を投げつけると消えるという。
消えた空き缶や石はどこにも見当たらない。
つまり…この世に存在しなくなる…。
元々は山菜取りの老夫婦の旦那が奥さんの目の前で消えた!というのが噂の始まりだった。


732 名前:8/12[] 投稿日:2009/07/13(月) 00:44:08 ID:yzLus+8HO
噂が広がった後は大変で、珍走団は集まるし、子供が消えたとか騒ぎになるし、でも四次元の木に行った事のある珍走団の友達に聞いた話では何を投げつけても消える事は無かったって。
その友達は先週も行っていて、フェンスを壊したから今なら入れるって言っていて、刺激を求めていた俺は懲りずに行く事にしたんだ。
仲間を集めて出発しようとした時
「僕もいくぞー、僕も、僕も僕も」
なんと、ヨッシー!
ヨッシーに教えたのは誰?
痴呆を連れていってもお荷物。
けれどヨッシーは俺のバイクに跨って離れない。
「嫌だ嫌だ、僕も、僕もへへへ」
ヨッシーには誰も連絡をしていないという。
どうして知ったのだろう?仕方なくニケツで連れて行く事にした。

珍走団の友達の言った通り、フェンスは壊れていた。四次元の木は直ぐに分かった。
しめ縄がしてあって酒が置かれていたから。
「なんの変哲もないな…」そう言って仲間の一人が木の枝を軽く投げた。
バシッ!
枝は虚しく地面に落ちた。「なんだ嘘かよ…」
何故かこの行為を見たヨッシーの落ち着きがなくなった。「ダメだよ、ダメだよ、怒られるよ、あのオジサンに怒られるよ」

734 名前:9/12[] 投稿日:2009/07/13(月) 00:45:35 ID:yzLus+8HO
ヨッシーは大声で暴れている。山奥とはいえ、夜の10時、警察が来ては面倒だ。
「ヨッシー、うるさいよ!静かにしろよ!もーなんでこんな身障連れてきたんだよ!くそ!」
俺は連れてきた事を後悔した。
ヨッシーを見ると騒ぐ一方で苛立ちが増大してしまった。みんなに悪いような気がして冗談のつもりである提案をしてみた。
「ヨッシーを木に押し付けてしまおうか?うるさいから四次元に葬ってやろうか?」軽い冗談だ。
けれど…
「おー!いいね!こんなお荷物は四次元に葬ってしまおう!」
「どうせ生きていても役に立たないよ葬ってしまおう!」
やんややんやの大騒ぎ。
ヨッシーコールまで起きてしまっている。
ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー
四次元なんて嘘なんだし、ヨッシーをビビらせておとなしくさせるだけだ。
俺もテンションが上がってしまって、ヨッシーの腕を掴んだ。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、オジサンがオジサンが…僕嫌だよ」
オジサン等と訳のわからんヨッシーに怒りさえ感じて腕を力強く掴んだ。
反対の腕を友達が掴んだ。引きずるように木に向かって歩いていった。
ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー


736 名前:10/12[] 投稿日:2009/07/13(月) 00:47:09 ID:yzLus+8HO
「嫌だよーああああああああ」
足をバタバタして抵抗するヨッシー。
仲間が懐中電灯をぐるぐる回して雰囲気を盛り上げる。
ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー
もはや後には引けない。
四次元の木に後一歩の所まで来た時、友達に目配せをして力強くヨッシーを木に押し付けた。
フッと軽くなったような気がした瞬間、懐中電灯が消えて真っ暗になった。
何かにつまづいて転んでしまった。
「痛!おい、消すなよ!こら!」

「消してないよ!…消えた!」
パンパン!…パンパン!
懐中電灯を叩く音が数回した後フッと灯りが付いた。
「あれ?ヨッシーは?」
いない?!真ん中にいるはずのヨッシーがいない?!
反対の腕を掴んでいた友達も何故か転んでいて、キョトンとしている。
「いない訳ないだろ?」
「あいつイタズラしてんだよ!おいヨッシー、ふざけんなよ!出てこいよ!」
灯りがつくまでは数秒、ヨッシーはその間に茂みに隠れているに違いない。
俺達は懸命に探した。
「おい、ヨッシー、出てこい!」
「もうやめよう、謝るよ、出てきて」
「悪かった!ヨッシーごめん。頼む出てきて!」


738 名前:11/12[] 投稿日:2009/07/13(月) 00:53:29 ID:yzLus+8HO
俺達は青くなった。
ヨッシーは悪ふざけをしてその辺の崖から転落したのかもしれない。
「お前があんなアホ連れてくるから悪いんだぞ?」
俺は後悔した。
ヨッシーはマジで大ケガ、いや、死んだかもしれない。
ヤバイ…ヤバイ…。
「うん。俺の…責任だ。とりあえずヨッシーの家に行ってお母さんに説明しよう、それから警察に届けよう、俺の責任だ」
俺達は急いでヨッシーの家に帰った。
山道を15分、バイクで一時間、ヨッシーの家に到着した。「おばちゃん、おばちゃん!ヨッシーが大変な事に!ごめんなさい!」
ヨッシーの母ちゃんは俺達の勢いにびっくりしたようだが、直後にとんでもない事を言った。
「どうしたのこんな遅くに?義彦ならさっき押し入れから落ちたみたいで、うーうー唸っているよ、二階で」
え?な・ん・だ・っ・て?俺達は訳がわからず二階に行った。
そこには紛れもなくヨッシーが居た。
「おい、ヨッシー、ヨッシー!お前どうやって帰ったんだ?え?」
ヨッシーは何故か全裸だった。体中に傷があって涎をだらだらと垂らしている。
「オジサンがね…僕のね…えへへ…お前らしらないぞ?オジサン怒ってたぞ?」「ヨッシー、オジサンって誰なんだよ?え?オジサンって?頼むよ、答えろよ!」
俺は何故か半泣きになってヨッシーを揺さ振った。
「えへへ、えへへ」
ヨッシーは答えない。


742 名前:12/12[] 投稿日:2009/07/13(月) 00:56:11 ID:yzLus+8HO
ごめん!規制受けてたっ
続き
つか、ラスト

お母さんの話を聞くと、一時間位前に二階でドスンドスンと大きな音がして見に行くとヨッシーが全裸でヘラヘラ笑っていたという。
一時間前って…ヨッシーが消えた頃じゃないか?
「この子…もう駄目なのかな…みんな…友達でいてあげてね」
俺達は何も言えなかった。
翌日の日曜日の昼間に俺達はもう一度四次元の木に行ってみた。
何か手掛かりがあるかもしれない。
四次元の木の周りには何もない…
すると一人が何かを発見して叫んだ。
「おい、あれを見ろよ!」指を差した場所は空だった。
四次元の木の頂上付近、30メートル位の場所に…
服が絡みついている。
「あれ…ヨッシーの服だろうが?」
間違いない、昨日ヨッシーが着ていた服だ…。
一体どういう事だろう?
俺達はいくら考えても解らなかった。
ヨッシーは四次元に迷い込んだのか?
オジサンとは誰だろうか?いくら考えても解らなかった。


あれから15年…ヨッシーは通院では済まなくなって、今は面会不可な場所に居る。

俺達あの時は犯罪者になった気分だったけど、10の14乗分の1位の確率で木だって通り抜けられるんだよね?だから…偶然じゃなく必然だったんだ。

そう自分に言い聞かせているんだ。

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